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『3歳位のお子さんが迷子になっています』私達はアッと顔を見合わせました。ものすごい安堵感と同時に、どうして警察に?という疑問がわいてきました。何故って警察は家から3?以上も離れていたからです。
からくりはこうでした。
家から少し先のいつも私と散歩に行く公園まで歩いていき、そこをたまたま通り掛かった車のおじさんに、『ママはどこ?』と聞いたのだそうです。その人は迷子だと勘違いをして、何故か消防署まで連れて行き、M君はそこからパトカーに乗って警察まで来たのでした。
M君は相変わらず上機嫌で、おまわりさんの膝に乗り、お菓子をほおばっていました。私達が駆けつけた時はさすがにバツの悪そうな顔をしていましたが―。
それからしばらくの間、しかられるたびにM君は言ったものです。
「いいよーん!またパトカーのっちゃうもんねー!」今年の春、いよいよM君も保育園に入園しました。5歳になってずい分とお兄さん

 

 

 

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